春の風

春の風

 

…… 彼等に会わないから追い立てられ……町の声に急き立てられ……贅沢は言いません すがる気持ちで仕事を貰い……言葉が足りないばかりに 相手に自分を伝えられず  ……分かってくれない周りを恨み 自分は正しいと逃げ出す……誰が呼ぶ声にこたえるものか 望む気持ちと裏腹 ……今日の生き恥をかく  

 

泉谷しげる『春の空っ風』

 

どうしてこうも…最後にはひっくり返されるんだろ?

な~んて。ともすれば心はひん曲がってく。

 

勝負しないのか?出来ないのか?

興味もないが、そんな連中が悪足掻きしている自分にお呼びをかける。

酒の肴になりに出て来いやなんてニヤついている…。

 

誰が呼ぶ声に応えるものか!…と強がりながら…何でもやります。贅沢は言いませんと卑屈になって仕事を貰う…望む気持ちと裏腹…今はただすきま風を手で押さえて…今日の生き恥をかいている…。

 

分かり過ぎるくらいに分かる。

 

その悔しさがある内は大丈夫なんである。

『そんな呼ぶ声に応える』くらいなら端からこんな生き方は選んじゃねえよ!って事だけど。それにしても春に吹く北風の様に、こんだけ待ったのにこの寒さって何だ?という苛立ちである…。

 

『今日の生き恥』がかけるなら俺は大丈夫!

自分の道を確められる唯一の方法が生き恥なのだと心は知っている。

しかし…しかし世間に吹き荒ぶこの風の嫌らしさは何だ?

…焦燥と嫉妬は嫌でも突き上げてくるのである…。

 

若い時、この曲に直球で感情移入したものだった。

今も同じ切なさでもってこの曲は聞こえるけれど…。

この『ギリギリの悪足掻き』って何時まで演じられるんだろう?…とそんな時間にもいとおしさめいたモノを思う様になった。

 

この生き方をやり遂げ演じ切る覚悟が出来たからだろう。

一つ山を越える醍醐味は自分だけのモノ!…何時かはこの生き方を終える時が来る。

 

ここまで来ればそんな時間がとても貴重であり…楽しんではいないが十二分に味わっている。

実感って奴である。

 

そして、そして…『誰の呼ぶ声』も僕には届かなくなったのである。