東京から

東京から帰り着いたのは二十時過ぎ。

朝一ののぞみで出発、流石に日帰りは疲れる。

何故、東京へ出掛けると魂まで痩せ細った様な疲れ方をするんだろう。

 

恵比寿から迎えの車で展示会場へ向かい、昼休みには薄汚い店で恐ろしく不味い定食を腹に詰め込む。

東京の民衆は手酷いランチを食っている。

これが毎日なら完全に心を病むだろうなぁ…。

不味いメシを食いながら、謳い文句だけが華々しい花の都、東京に

くそ食らえだ!と悪態一つ。

 

年々アイデアと気力が削がれていく様な会場のラインナップは妙に日用品の臭いが漂う。

この国は貧しくなったという事を実感させられる。

 

帰途につき品川で新幹線に乗り込むと…やっとひと心地着く。

走り始めたら直ぐに眠りに引き込まれて気が付けば京都。

自分がほっとするのが分かる。

 

ガサツでカネにアカラサマなアキンドの街まであと少しだ。

大阪はデリカシーなんて欠片もない人間達の街だけど…妙に落ち着く。

 

東京と大阪の何処が違うのか?

 

ソコに暮らしている人達が互いに虚勢を必要とするか否か?なんじゃないかと思う。

東京はカネを失ったら最後…致命的だけど、大阪はそれでも何処かに潜り込めそうな『ゆるさ』を感じる。

そんなイメージだろう。

 

レストランに帰り着き、コーヒーを飲むと田舎都市の空気が身体に馴染んでいく。

良いよなぁ田舎。

少なくともここではあんな恐ろしいランチとは無縁で居られるから…。

 

東京のサラリーマン文化はド田舎そのもの。

彼等はその都市しか知らない。

東京でなきゃ情報が取れないなんて言いながら所詮、くそ不味いメシを食いながらイタリアのファッション雑誌から切り取ったモノをつぎはぎして暮らしている。

何分にも、彼等は自分の食ってる昼飯がどんだけ貧しいモノかという情報さえ知らないのだ。

 

文化なんてモノは東京には求め様がない。

あるのは妙にキラキラとしたデコラティブ文明だ。

ソコは全世界から持ち寄ったモノをカネに変える大きな景品交換所に過ぎないとつくづく感じた一日だった。

 

…でもね、悔しい事がひとつ。

 

東京は若く美しい女が一杯歩いてた。