深夜テレビで

映画『グッドライ 一番優しい嘘』を観た。

ロストボーイズと呼ばれた3000人余りのスーダンからアメリカに逃れ渡った少年達の話。

 

一家族の兄弟達がアメリカに奇跡的に渡って様々の習慣の違いから苦難の道を歩く姿。

優秀な次男が学校で教師の課題質問に答えたハックルベリー・フィンの前半の嘘と後半の嘘。

良い嘘と悪い嘘…のくだりが表題になっている。

 

自分のせいで死んだと思っていた兄がケニアの難民キャンプで生きている。

そして自分たちを探していると知った次男は再びケニアへ。

しかし兄の出国ビザは下りない。

彼は兄を自分に成りすまさせてアメリカに行かせる(嘘をつく訳だ)

 

自分はキャンプに残り医者としての道を選ぶ。

 

家族全員で暮らす事を何より優先する家族の絆。

エンドのテロップの最後にアフリカの諺が流れる。

 

急ぐなら一人で行け!遠くへ行きたいなら皆と行け!……ウ~ン深い。

 

映画の中、アメリカのスーパーで働く三男のシーン。

賞味期限切れの食物を廃棄する場面でスーダンの食料事情とアメリカの贅沢の罪を比較提示して見せる。

 

巨大なごみ箱の中で食糧を漁るホームレスの女が彼に見付かって逃げようとする。

彼は言う。『それを食べちゃ駄目だ!』

『ごめんなさい!』

『それは古過ぎて傷んでる』

そして彼は新しく廃棄の為に運んで来たカーゴの中から様々の食物を選んで彼女に手渡す。

 

それを見咎めた社長が彼を詰問する。彼はエプロンを外して彼に手渡し、辞職する。

『与えないのは罪だ!』と言って。

 

これは、親を殺されて兵士に追われて逃げる途中、両足を負傷し動けなくなった男に兄弟達が、僅かな手持ちの食料を分け与えるシーンと嫌でもリンクする。

 

年間500人の餓死者を出しながら、恐ろしい量の食品を廃棄してるこの国…日本。

『与えない罪』に気付く事もなく、そこまで『時間品質に拘る』という安易なアメリカ的サービスが何とも短絡的で下劣、お下品なモノだと感じざるを得なかった。

 

人の心の上質さ、良心という自己管理を僕達は長く忘れている。

毎日テレビ画面に溢れてるグルメって一体何なんだろう?と考えさせられる映画だった。

 

目に見える数量の世界で完結してしまうこの国の日常。

目で見る事が出来ない人の品質、

それこそが『人間の文化』と言えるモノなのだと改めて思った。