自己責任という考え方はとても重要だと承知しての話だけど……。
これを金科玉条の如く唱える人達がとても単純で幼稚に見える時がある。
数量と義務論だけで頭が出来ていて、情感とか慈悲とかが乏しい。
様々な事情に応用が利かなくて何時も薄っぺらい権利義務論から抜け出せないでいる人達…といった印象だ。
この男は、この女は、…一体どんな顔をして恋をしたんだろうか?
その時相手にどんな表情をしてどんな言葉を伝えたのだろう?
今流行りの婚活とやらの様に、年収なんかの話でもしたんだろうなぁ…と、想像がつく。
このタイプの人達には自己責任論と何時だったか書いたマウンティングがセットで付いてくる。
数量の世界で得た小ガネにマインドを支配され、マーズロー流のメンタル進化から取り残された絶滅危惧種の様に見えてしまう。
聞きもしないのに、着てる服が『如何に安かったか』を滔々と喋り「アンタ、ユニクロのスポークスマンなの?」ってな風情で生きている。
『自分の知識100%』でこの世を生きているから、本人の思惑と違って話題の範疇が狭い。
要は全然詰まらない。
自分には『知らない事がある!』って事を知らない悲劇だ。
本人は極めて意気軒昂に生きてるから悲喜劇になる。
自分にも出来ない事があり、知らない事がある。
最低限それを知っておきたい。
ま、肝心の僕がそんな鼻持ちならない人間だったんだけど…。
自業自得の苦境を生きさせてもらった中で多くを学ばされた。
知らない事を他人から教えてもらい、出来ない事を誰かが引き受けてくれた事で何とか今を生きている。
教えてくれた人、引き受けてくれた人にそんな義理など少しも無いのに…。
慈悲なのか思い遣りなのか?
兎に角、そんな人達が僕にとっての生き仏様となって助けてくれたのだった。
ちょっとした事で直ぐ傷付いた!って騒ぐ人が多いけど…。
若い内にメチャクチャ傷付いた方が良い。
自分が傷付き、痛い思いをしただけ自分にも他人に優しくなれる。
その痛い思いをした分だけ自分が生かされている本当のメカニズムを知ることが出来るのだから。