然り気無い・・・

弱気なニュアンスを一番遠い言葉を選んで発して然り気無く相手のアタリを探る。

そんな時・・・人は絶望の淵にいて助けを渇望しているんだと思う。

時に当て擦りだったり僻みからの一言かもしれない。

 

大抵はそんな切実な思いに気付いて貰えず救済されるのを断念する。

それでも死ぬに死ねない。また助けを求める言葉が徐々にエスカレート。

そして、死にたい!を口にするに至る。

 

またか・・・くらいに受け流す周囲。

放置された人間は怒りを燃やす様になる。一番弱気なメンタリティが一番最悪の攻撃の意志を導き出す。

やがて、「誰でもよかった」という殺意が実行に移される時がやって来る・・・。

遂に彼は決意し、ナタを購入して新幹線に乗ったのだろう。

 

全く他人事のように息子の発達障害を説明してのける両親。幼少期から愛というものにまみれる機会が決定的に足りなかった・・・そんな気がした。

そんな中で祖母だけが彼の孤独を理解していたような気がする。

 

自分のホントに向き合うということの難しさ。本心で以て人と向き合うことの難しさ。

 

愛されない事がある、という世の中の現実を学び受け入れようとするならば、その前に

最低限の愛を以て育てられる必要があるんじゃないか?と思った。

 

彼は凶悪な加害者となったけれど、彼が大人に至るまでに、些細な言葉や態度によって彼が渇望を訴えた様々の機会・・・それを無理解や無関心を以て接した大人達の残酷性・・・。

彼は発達障害なんです!と説明する母親の声の妙に冷静な響き・・・。如何にコミュニケーションが取れなかったか、と客観的に説明する父親の態度。

何か、普通に見えて大きくズレている、そんな事を感じたのだった。

事、ここに至っての彼らのコメントには徹頭徹尾エクスキューズのニュアンスが漂っていた。

 

彼は人を殺す大罪を犯した・・・。

 

しかし、両親のみならず世の人々の無関心や、社会の弱者に向き合う仕組みを含めて、法に触れない極悪非道な大罪が、彼の罪の以前にあるような気がする。